によるガーディアン紙が報じた。Googleの英国拠点の人工知能研究所であるDeepMindの従業員は、Googleと米国国防総省(ペンタゴン)の間で最近締結された合意に対する不満をきっかけに、労働組合を結成することを投票で決定した。AI協力協定従業員たちは、自分たちが開発している先端技術が軍事目的に利用されることを強く懸念し、通信労働者組合(CWU)と連帯組合を自分たちの代表として認めるよう経営陣に要請する書簡を送った。
国防総省の「正当な使用」と、巨大IT企業における拒否権の欠如
先週、米国防総省は、Googleを含む複数の大手AI企業と契約を締結したことを確認した。契約によると、国防総省はこれらのAI技術(DeepMindが開発に協力したGeminiモデルを含む)を「あらゆる合法的な目的」で使用することが認められている。
The Informationによると、契約では、政府が適切な人的監視と管理なしに、これらの技術を国内での大規模な監視や完全自動化兵器プロジェクトに使用することを明確に禁止しているものの、DeepMindの従業員が最も懸念しているのは、Googleや他の契約企業が、政府が最終的にこれらのAI技術をどのように、どこで使用するかについて、全く制御権や拒否権を持たないことである。
投票に参加した従業員たちは、米国政府の不安定なイラン政策や、最近別のAIスタートアップ企業であるAnthropic社と対立したことなどを証拠として挙げ、米国政府を「無責任なパートナー」と社内で非難した。
イスラエル・パレスチナ紛争の影と「レインクラウド・プロジェクト」
米軍に加え、イスラエル国防軍もまた、この道徳的不安を引き起こす重要な要因となっている。
外国メディアの取材に応じた一部の従業員は、自分たちが開発したツールがイスラエル国防軍の軍事作戦を支援するために利用されているのではないかと、深い懸念を表明した。実際、Googleは2021年にはすでに「プロジェクト・ニンバス」のためにイスラエル政府と12億ドル規模のクラウドコンピューティング契約を締結しており、最近ではイスラエル国防軍が同社のAIツールへのアクセスを拡大しているとの報道もある。
DeepMind社員の3つの主要な要求
自社技術の悪用の可能性に直面したDeepMindの従業員たちは、労働組合の力を利用してGoogleに圧力をかけ、明確な要求を突きつけることを決めた。
• 有害な技術を開発しないという決意:グーグルが、人間に危害や傷害を与えることを主目的とする技術を開発しないことを約束するよう求められている。
• 独立した倫理監視機関を設立する。法的拘束力のある倫理審査制度を再構築する。
• 従業員に「倫理的に拒否する権利」を与える:従業員に、倫理観に基づいて特定のプロジェクト開発への参加を拒否する権利を与える。
視点の分析
DeepMindチームによる今回の労働組合結成の動きは、2018年にGoogleで勃発した内部対立を彷彿とさせる。「プロジェクト・メイブン」抗議活動歴史は繰り返される。
当時、Googleの従業員たちは、同社が国防総省のドローン画像認識技術開発を支援していることに強く抗議し、最終的にGoogleは契約更新を断念し、AI倫理ガイドラインを公表せざるを得なくなった。しかし、時代は変わった。今日の激しい世界的なAI軍拡競争において、政府や軍から大規模なクラウド/AI契約を獲得することは、Microsoft、Google、Amazonといった巨大企業にとって抗いがたいビジネス上の誘惑となっている。
この事件は、現在のAI業界における根本的な矛盾を浮き彫りにしている。堅牢なAI基盤モデルを構築するのは、理想主義的な考えを持つ一流の科学者であることが多い。しかし、これらの技術の商業化とライセンス供与を最終的に管理するのは、株主と収益に対して責任を負わなければならない企業の経営幹部なのである。
DeepMindがGoogleに買収された際、同社は研究の独立性と倫理基準を確保するために多大な努力を払った(独立した倫理委員会まで設立した)。しかし現在、GoogleはOpenAIに対抗するため、Google BrainやDeepMindを含む社内AIチームを再編しており、DeepMindの従業員は、これまで築いてきた倫理的保護策がビジネスと地政学の現実によって侵食されつつあることを痛感している。今回の労働組合をめぐる争いがGoogleの軍事協力戦略を大きく変えるかどうかはまだ分からないが、将来、優秀なAI人材が就職先を選ぶ際に、間違いなく重要な判断材料となるだろう。



